医療事務の仕事をしているUさんは、病院での長い勤務の間に、沢山の患者さんと接してきた。余命わずかな患者さんとの触れ合いや、患者さんの死を目の当たりにした経験から、自分の人生について考えるようになったという。Uさんの仕事は非常に激務だった。仕事に追われる日々の中で、ある気持ちが芽生えた。「自分は健康な体を持っているのに、なぜこんなに人生に苦しんでいるんだろう。人生は仕事だけではないはずだ。」自分の生き方を変えたい。そう思った時、Uさんが情熱を傾けたのは海外旅行だった。海外を旅しながら記事を書いて生計を立てるという生き方ができないだろうか。そう思い立ち、ライター講座を探した。そしてこのライター講座を見つけ、「とにかくやってみよう」と飛び込んだ。
講座を受けて、一番役に立ったことは何かをUさんに伺うと、こんな答えが返ってきた。「もちろん、文章を書く方法を学ぶことができました。でも、自分はそれ以外にもっと大きな気づきを得ました。」とUさんは言う。「文章を添削してもらって、自分の文章には色がないことに気が付いたんです。自分の文章には色、つまり具体例がない。自分は、具体的に書きたいことを経験していない人生を送ってきたのだということに気が付きました。なんという生き方をしてきてしまったのか。今後は、180度違う人生を送りたい。そう強く思いました。」
最後に、受講を検討している人に伝えたいことがあるかを伺った。受講前、Uさんは文章を書いた経験が無い自分が講座についていけるか不安だったという。受講生は、書くことについて専門的に学んできた、真剣にライターを目指す学生ばかりなのではないか。そう考えて、受講をためらう気持ちがあったとUさんは語る。しかし実際に講座を受け、受講者全員の文章を読み、それに対する講師の講評を聞いて、みんな完璧じゃないことに気づいたという。そして、「自分も頑張ろう」という気になれた。
「不安に思っているのはみんな一緒ですよ。」Uさんは言う。「自分のような文章を書いた経験が全くない人もこの講座で頑張っています。まずは第一歩を踏み出してください。入門コースでも、頑張れは、必ず次につながります。人と比べても意味がありません。劣等生でもいいから、開き直ってやり抜きましょう。自分次第で、必ず得るものがあります。」
(執筆者)
A・Hさん(第1期・入門コース卒業生)